補足
手塚>>宍戸の上司。神経質で苦労性な課長。
鳳>>宍戸の後輩。宍戸に懐いている。


「会社周り20週だ!!!」

というわけで、案の定遅刻した宍戸は上司の手塚課長に会社周りを20週走ってくるよう言い渡され、
朝っぱらからスーツ姿で走っていた。
さっきすれ違った女子社員が自分のほうを見て笑っていた。

(ちくしょー、課長めおぼえてやがれ)

明らかに遅刻した自分がわるいが、社会人にもなってなぜ遅刻の罰で走らされているのか。
中学生でもあるまいし・・・と少し自己嫌悪になっていると、聞きなれた声が自分を呼んだ。

「宍戸さーん!」

声のほうを見てみるとそれは予想通りの長身で銀髪の見た目ちょっと(かなり)軽そうな後輩の鳳だった。
よくわからないが、嬉しそうに走ってくるので宍戸はとりあえず走るのを辞めて鳳が追いついてくるのを待った。

「長太郎。どうしたんだ?」

「いえ、少し眠くて、あくびしたら課長に、たるんどる!ってどなられちゃいました」

にこっと人好きのする爽やかな笑い方が鳳っぽいなーと宍戸は思った。

「まじかよ、あくびしたくらいで走らされんの?!」

「あ、走るのは俺が勝手にいったんっスよ」

「はぁ?走るの好きなのか?」

「いえ、好きなのは走るのじゃなくて」

「じゃなくて?」

鳳が急に言葉を遮ったので宍戸は思わずその言葉を繰り返して先を促した。

「じゃなくてぇー・・・」

しかし、鳳にその続きがいえるわけがない。
なぜなら、

(走るのじゃなくて俺の好きなのは宍戸さんです・・・とか言ったらやっぱまずいよなぁ〜・・・)

何を隠そうというかお決まりというかとにかく、鳳は宍戸のことが好きだったのだ。
それも完全な片想いで、鳳がどんなに宍戸さん好きですオーラをぶちまいていても、
宍戸はというとその天性の鈍感さでそれに気付いていないのだ。
あえていうなら社内で鳳の気持ちを知らないのは宍戸のみということだ。

「へんなやつだなー。まぁいいや、とりあえずさっさとはしって戻ろうぜ!」

変な奴と言われてもなお鳳は笑っていた。
鳳にしてみればこうして宍戸と2人きりで走っているだけで十分幸せだったのだ。


(宍戸さんとなら永遠に走り続けたい・・・)

病気です、と心優しい突込みを入れてくれる人はあいにく誰もいない。


鳳宍です。大好きです。
黒くて、変態で、宍戸さん激ラブな鳳が。
んー、いまいち私の鳳は変態っぽさとかにかけていますね、まだまだ精進しなくては・・・(笑
次回は忍宍(のよてい)です。

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